2022.11.02
リターンのチョウ
このフォームで、フリー素材のような画像に混じって、いくつかチョウの写真などを使っているのに気づかれた方もおられたでしょうか?リターンの画像に使っているひとつは、私が2022年5月に撮影したウスバシロチョウというアゲハチョウ科のチョウの写真です。詳しくは書けませんが、福井県内の生息地に行ってきました。
高校時代までは昆虫採集にかなり熱を入れていて、中学1年生の中間試験の後で、学校の先輩に連れられてこの場所に行きました。特急列車の乗り方もよく知らない当時の私には、奈良から日帰りで行くのは相当に強烈なインパクトのある冒険でしたし、発生時期も終わりかけだったのでボロボロの個体しかいなかったのを覚えています。
サバティカルで少し時間が空いた今年のタイミングで、実に28年ぶりに同じ地域を訪ねてきました。中学時代に行った5月下旬の約1週間前、当時なら中間テストの最中です。幸い、年1回の発生最盛期で、沢山の個体に会うことができました。この地域のウスバシロチョウは、氷河時代の名残りか黒っぽい個体が多く、ウスバクロチョウなどと呼ばれています。
今は採集をしないので、短い命を懸命に生きている姿に触れられたらそれで満足です。昆虫の生き方は、まさに「今、ここ」だけに在る、瞑想的、マインドフルネス的な生き方ですね。私たち人間も本来はそうあるべきと、教えられているような気がします。今は中学時代よりも心に余裕があるので、こういうアプローチもできるのかもしれません。
たまたま、谷川の流れを背景に撮れたこの写真を、この日のベストショットとして使っています。